撮りそびれた写真
学生の頃、写真を撮る事に大いに興味を持っていた頃。

いつか本腰を入れて撮ろうと思いつつも、
時間がなかったり、創作意欲が盛り上げられずにいたために
結局は撮れなかった景色やテーマがいくつかあった。

一つは世田谷線。
当時住んでいたところからさほど遠くはないところにあり、
三軒茶屋から下高井戸の間を走る路線には、
いかにも昭和のノスタルジーをかき立てるような町並みと駅舎が続き、
走る車両も古きよき時代を髣髴とさせるものだった。

創作的な作品を撮影する構想だけは自分の頭の中にあった。

各時間帯、各季節、いろいろな天気、、、いろいろな条件の下で、
世田谷線とその沿線の景色を撮る。

そのときは必ず、景色の片隅に革の小さな旅行トランクと洋傘を置く。
「トランクを持った人」ではなく、「トランクそのもの」を
旅人の心に見立てて、それが旅をしているような光景。

路線を移動する旅をしているようで、実は時間を旅している・・・
そんなような感じの一連の写真を撮りたかった。

しかし、気づけば論文執筆の多忙さに押されて
何度も撮影に行けなくなっていた事情があった。
それ以上に、あるとき気づけば世田谷線の車両が
近代的なものに、それもラッピングの原色の全面広告になっていて
私の創造意欲をまったく掻き立てなくなっていたということも大きい。

あの時、最初に思いついた時に 
写真を撮り始めていたなら、
私の作品群は完成していたのだろうか・・・。
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by climberkitune | 2006-01-12 11:36 | Old tale
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日常生活の断片
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